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SAカレッジ22年度 コースⅡ 第3回月例会 質疑セッションがありました

2022年06月23日

坂井 信之 教授「消費者はどのようにしておいしさを感じているのか?」

 

sakai

2022年6月21日、SAカレッジ22年度コースⅡ第3回月例会 質疑セッションが開催されました。

講師は、大学院文学研究科心理学研究室 多感覚情報統合認知システム研究分野、坂井 信之 教授。テーマは「消費者はどのようにしておいしさを感じているのか?」でした。


最初に追加の情報をお話ししてくれました。

1.大学生は苦みに鈍感?
若い人(大学生)はビールを飲まない、苦くて飲めない人が多いとよく聞きますが、味覚判定によるとほとんど苦みを感じない人が半数近くいることが分かっています。ではなぜビールの苦みが苦手だと感じる人が多いのか。これはビールを飲む機会が少ないから!

 

2.満腹感は目で感じる?

同じ量の料理を、大皿に盛ったものと小皿に盛ったものでは、小皿の方が食べる量が減りやすい条件となるそうです。実際の企業の社員食堂で実験も行った結果もあるそうです。回転ずしなどでお皿が積み重なっている状況が満腹感を得られ食べすぎを抑制できるとのことです。

 

3.コロナ禍による食の変化 家族との食事
農林水産省の統計に基づいたものですが、コロナ禍で家族と食事をする習慣が増えたということが分かっています。減ったという方もいますが、食べにいく機会は減っているがオンライン会食・飲み会が増えてきている傾向が若い人に増えつつあります。学生に対して行った実験でオンラインで話しながら食事をすると圧倒的に満足感が得られる、という結果が出ています。

 

質疑では「おいしさの認知を上げるのは可能か」「加齢による食欲や嗅覚機能の低下やそれを防ぐ知見等はあるのか」「色や味覚、においと代謝に関する知見はあるのか」「食感が苦手な食材の克服法はあるか」など、さまざまな質問に回答いただきました。

 

東北大学大学院 文学研究科・文学部「教員のよこがお」 坂井信之教授の紹介はこちら

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次回、コースⅡ第4回月例会は、中瀬 泰然 准教授による「認知症の詳しい病態とその予防策」です。