どのような事例か?
手芸用品大手のユザワヤ商事㈱による「脳トレ手芸シリーズ クロスステッチ刺繍キット」「同 編み物キット」は、東北大学と日立ハイテクの合弁会社、㈱NeUが実証実験・監修を行い、商品化されました。
従来、手芸のように手先を動かしたり、頭を使ったりする活動は、中高年層の頭の体操や物忘れなどの防止に良いと一般的に考えられていました。今回、NeUが開発した小型NIRS(近赤外光分析装置)による脳計測実験の結果、クロスステッチ刺繍や編み物を行うことで大脳の前頭前野を中心とした脳活動が活発化することが実証されています。
前頭前野は脳の司令塔と呼ばれる認知機能の中枢で、この部位の活動が日常的に活発化すれば認知機能の維持・向上が期待できるとされています。
年配の女性には刺繍や編み物などが好きな人も多く、好きな手芸に取り組むことで、楽しみながら脳の健康を維持することができるでしょう。最近では、英国男子飛び込み金メダリストが、観覧席で編み物をしている姿も話題となりました。世界的にも、再注目されはじめた手芸。指先を使うことで脳の活動が活発になり、編み図を覚えることで短期記憶や空間認知能力が鍛えられ、楽しく前向きな気持ちで作業することで脳に良い刺激が与えられます。
注目すべき3つの効果
1.手芸で手指を使うと脳活動が活発になる
2.刺繍の図面を読み取る=空間認知能力を使い脳活動が活発になる
3.楽しく前向きな気持ちで作業すると脳には良い刺激になる