【概要】
歯肉が軟らかい人は経年的に歯肉が痩せやすく、前歯の被せもの治療などで見ための悪化などがしばしば問題となります。しかし、軟らかい歯肉が痩せやすいのはどのような生体反応によるのかは、これまでほとんど解明されていませんでした。
東北大学大学院歯学研究科 分子・再生歯科補綴学分野のWatcharaphol Tiskratok(ワチャラフォル ティクラトック)大学院生(博士課程)、山田将博准教授および江草宏教授らの研究グループは、様々な歯肉の硬さを模した細胞培養基面を製作し、ヒトの歯肉から採取した歯肉線維芽細胞を培養することで、軟らかい歯肉が痩せやすい仕組みを解明しました。
軟らかい歯肉の環境そのものが、炎症を引き起こしやすくて歯肉線維をつくりにくいうえに、付着する歯肉線維芽細胞の性質を細菌の病原性因子に対して過剰反応をしやすい状態へと変化させる可能性が明らかとなりました。
本研究により、歯肉結合組織の炎症を制御するための標的分子とともに、炎症を制御するバイオマテリアル開発のヒントとなる重要な知見が示されました。
本研究成果は、2023年1月24日に米科学誌Scientific Reportsのオンライン版に掲載されました。
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