SACプロジェクトとは

SACプロジェクトとは

SACとはSmart-Aging Co-creation(スマート・エイジング共創)の略で、SACプロジェクトとは東北大学の生命科学・健康寿命延伸・スマート・エイジング分野の知的資産と民間企業の事業資源とを組み合わせて新規事業を「共創」するための活動です。具体的には次の三つで構成されます。

・東北大学・東北大学ナレッジキャストとの【SA関連共同研究】
・東北大学ナレッジキャストによる【SAビジネス支援】
・スマート・エイジング・カレッジ【SAカレッジ】

スマート・エイジングの4要素である「認知」「運動」「栄養」「社会性」における【研究成果】から、個人のスマート・エイジングを支える「商品」「サービス」「学術的エビデンス」など多くの【事業成果】を生み出しています。

 

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スマート・エイジングとは

スマート・エイジングとは、東北大学が2006年から提唱している少子化・超高齢社会における新しい概念です。

 

私たちはスマート・エイジングを「エイジングによる経年変化に賢く対処し、個人・社会が知的に成熟すること」と定義しています。別の言い方では、個人は時間の経過とともに、たとえ高齢期になっても人間として成長でき、より賢くなれること、社会はより賢明で持続的な構造に進化することを意味します。

 

世阿弥の言葉を借りれば、散ってしまった「時分の花」を振り返る後ろ向きの生き方ではなく、積極的に「まことの花」を咲かせようとする前向きな人生のあり方がスマート・エイジングです。私たちが「まことの花」を咲かせることは、年齢を重ねるにつれて物事の見方が深まり、視野が広がることで人生が豊かになっていくことを意味します。

 

私たちが提唱するスマート・エイジングの思想は、高齢期を「知的に成熟する人生の発展期」として積極的に受容するもので、世阿弥の思想よりもさらに積極的な高齢者観・加齢観です。高齢者を社会的弱者とみなす従来の考え方からのパラダイムシフトであると考えています。


「スマート・エイジングという生き方」(川島隆太・村田裕之共著、扶桑社)より
「スマート・エイジング 人生100年時代を生き抜く10の秘訣」村田裕之著、徳間書店 

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なぜ、スマート・エイジングなのか

日本は現在、超々高齢社会となっています。また、少子化の結果、長いスパンで総人口が減少するという、今までに経験したことのない時代に突入しています。私たちは、この困難な時代を乗り切るために、大きく三つの解決すべき課題が生じていると認識しています。


一つ目は、個人の長寿化の課題です。衛生環境の向上、経済そして流通の発達に伴う栄養状態の向上、そして医療の発達により、私たちの寿命は延び続けてきました。その結果、社会の第一線を退いたあとに長い人生が待ち受けています。高齢期の人生をいかに健やかに、豊かに過ごすか。そのためには、健康長寿システムを確立し、心身の健康を維持・向上し、生活の質を維持・向上できるようにしなくてはいけません。

 

二つ目は、人口の高齢化の課題です。総人口が減るなかで、相対的に高齢者の割合が増えていくため、すべての高齢者がご隠居然として安穏に過ごすだけでは社会が立ちゆかなくなります。高齢者を貴重な社会的資源と位置付け、積極的な社会参加を促す社会システムの構築が不可欠です。

 

三つ目は、地域社会の過疎化の課題です。総人口が減るなかで、ある一定の経済活動水準を維持しようとするとき、一番たやすい方法は大都市部に人口と資本を集中させることになります。実際、多くの地方自治体では、人口減によって地域の活力が失われています。この厳しい地域状況のなかから、人々が生きがいを持ちながら暮らしていける環境や仕組みを考え出さなければなりません。

 

これら三つの課題をどう解決し、この少子超高齢社会において、私たちが健やかで穏やかな生活を続けるために、具体的にどのような工夫をしたらいいのかを科学するために、東北大学加齢医学研究所では、2009年1月にスマート・エイジング国際共同研究センターを設立し、研究活動を本格始動させました。センターは、2017年4月にスマート・エイジング学際重点研究センターに改組されています。

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SACプロジェクトの強み

「世界有数の脳科学研究環境」で最先端の研究をワンストップで実現


一つのラボでほぼ全ての脳機能イメージング装置を揃えている例は世界でも希です。例えば、関連会社の㈱NeUが開発した超小型NIRS(近赤外光計測装置)は世界でも唯一のものです。

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「脳を鍛える大人のDSトレーニング」などヒット商品を数多く創出


全世界で3,300万セット以上を販売した「脳を鍛える大人のDSトレーニング」シリーズなど、数々のヒット商品を開発しています。「脳トレ」ブームを生み出すなど、産学共創の先駆的成功事例となりました。

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脳科学を中心にライフサイエンス分野の専門家が結集


認知機能向上をうたう機能性表示食品は、必ずしもヒトを対象にした認知機能向上効果の検証を実施していない例も見られます。一方世界市場を見据えた場合、信憑性の高い学術的エビデンスを検証しておくことが重要となります。

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プロジェクト活動

東北大学・東北大学ナレッジキャストとの「SA関連共同研究」、東北大学ナレッジキャストによる「SAビジネス支援」、「SAカレッジ」の3つで構成された、SACプロジェクトにおける産学共創活動。それぞれ企業のニーズにあわせたソリューションを提供しています。